vol.25 “習慣からは逃れられない!?”【フェルデンクライス博士の言ったこと】

フェルデンクライス博士の顔

The habit formation mechanisms are operative in all of us. […]
Most of us stick to some infantile pattern which is so charged with emotional tension that we cannot even consider the possibility of its being wrong.
Our attitudes toward the body functions, work, sex, society, pleasure, etc. are rarely rational.
They are, most of the time, perpetuations of an old emotionally established pattern and indicate arrested development in one direction or another.

習慣がつくられるメカニズムが私たちの中にあります。
私たちのほとんどは、幼少期に感情の抑圧によってつくられたパターンに支配され、それが間違っている可能性すら考えられません。
私たちの、体の機能、仕事、性、社会、快感などに対する態度はほとんど冷静なものではありません。
それらは、ほとんどの場合、感情的に確立された古いパターンの繰り返しで、色々な面での未発達を指し示しています。

— モーシェ・フェルデンクライス

引用著作 : Body & Mature Behavior – p73

カラダ♮の解説

「パブロフの犬」という実験を知っていますか?動物において訓練や経験によって後天的に獲得される「条件反射」についての実験です。
かいつまんで話すと、犬に餌を与える時に必ずブザー音を鳴らすと、そのうちに餌を与えずともブザー音だけでよだれを垂らすようになる、というものです。
私たちもレモンや梅干しなど、思い浮かべただけで唾液がでる経験をしている筈です。
つまり、過去に経験した状況の一部が認識された時に、あたかも同じ状況が繰り返されたように身体が反応してしまうのです。

この条件反射は、脳の機能が発達していて、認識能力が高ければ高いほど、複雑で何層にも重なるものを獲得できます。
そして人間はその最たる存在なのです。

私たちが非常に強い衝動をもって、何かの行動をする時、それが自分の意志によってしたのか、条件反射によってしたのか、よく内省する必要があります。
特にその行動が害をもたらしている場合は、すでに形成されたパターンの間違いをはっきり理解して、変えていかなえればいけません。
そのためには、より正確な現実を、いろいろな角度から認識し、繰り返し体験していく必要があります。

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