vol.23 “全部関係してる!?”【フェルデンクライス博士の言ったこと】

フェルデンクライス博士の顔

The structure of the nervous system is such that it is hard to imagine purely sensory or motor or vegetative impulses.
The most abstract thought has emotional-vegetative and sensory-motor components. […]
The whole nervous system, therefore, participates in every act.

神経系の構造はこのようになっていて、感覚神経の働きなのか、運動神経なのか、自律神経なのか区別することは難しいです。
最も抽象的な思考でさえ、感情が動き、体の動きにつながります。
すなわち神経系全体がすべての行いに関係しているのです。

— モーシェ・フェルデンクライス

引用著作 : Body & Mature Behavior – p36

カラダ♮の解説

人間の神経がどのように機能しているかを、本のまるまる一章使って説明した後、モーシェが書いた一言です。
ほとんど医学書と言って良いほど、専門的な内容ですが、興味のある方は辞書を片手に読んでみて下さい。
今回の一言の重みがずっしりと伝わってくるでしょう。

人間の営みは、脊髄神経や自律神経によって統制されています。
しかし、それらはお互いに複雑に関わり合っています。
私たちの日常用語で言い表すならば、感情、思考、感覚、運動はそれぞれお互いに関連しあっていて、切り離せるものではないということです。

それは言い換えるとこうです。
私たちが料理をする時、どんな気分でニンジンを刻んでいるかが、私たちの首の痛みに関係しているのです。
夜、どんなテレビ番組を見るかが、翌日の仕事の効率に関係してくるのです。
水泳で汗を流すと、因数分解ができるようになるかも知れないということです。

何か問題にぶつかった時、一見全然関係のない所に解決がある可能性があります。
そして、これはよくある気休めの話ではなく、科学の話なのです。

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