vol.6 “才能ってなに!?”【フェルデンクライス博士の言ったこと】

フェルデンクライス博士の顔

Inherited capacities are, on the whole, fairly evenly distributed in the population. […]
Many people fail to recognize the true cause of their inability or failure.
The cause is very often not lack of ability, but improper use of self.

遺伝によって受け継いだ能力は、おおよそのところ、かなり平等に人々に配分されています。
多くの人は自身の不能や失敗の、真の原因を知りません。
原因は能力の欠如ではなく、不適切な自分の使い方なのです。

— モーシェ・フェルデンクライス

引用著作 : The Potent Self – p2, 3

カラダ♮の解説

生まれつきの才能はあります。
例えば生まれつき頭の良い人や、足の速い人、背の高い人がいます。
しかしモーシェに言わすと、そのような遺伝的なものはそう大した差がないのです。

例えばIQテストでは100が標準ですが、どんな人も基本的に50~200の間に収まります。
IQ200はいても、IQ2000の人はいません。
また先日、桐生選手が100mを9.98秒で走る快挙を成し遂げましたが、健康な男子大学生であるなら15秒以上かかる人は少ないです。
同じように2mの巨人はいますが、20mの人はいません。
「何を当たり前のことを」と思うかもしれませんが、自然科学から見ると、これは非常に偏りが少ない正規分布の値で、人々の複雑な作業に際しての実際の能力差を説明できるものではありません。

ですから、モーシェは生まれつきの能力をどのように使うか、またどのように発達させるかが才能の正体だと言いました。
ある人は環境に恵まれて、自分でも気付かず発達させたかも知れません。
またある人は意識的に努力してできるようになったかも知れません。
いずれにしても、そこには仕組みや理由があります。

才能の有無を議論するより、才能のメカニズムを知ろうとする方がよほど建設的です。
私自身、いつか解き明かせる日が来ると希望を持ちながら、一歩ずつ前進しています。

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