vol.28 “真実はひとつ!…でないの!?”【フェルデンクライス博士の言ったこと】

フェルデンクライス博士の顔

We usually distort facts by our own conviction.
Facts are not independent of the observer.

私たちはよく自分の確信によって事実を捻じ曲げます。
事実は見る人から独立していません。

— モーシェ・フェルデンクライス

引用著作 : The Case of Nora – p39

カラダ♮の解説

ノラという女性は、何年も脳の認知の問題で文字が読めなかったのですが、モーシェの助けで回復しました。
しかし、読めたという明白な事実を前にしても、本人は最初なかなか信じられなかったようです。
そのような文脈での一言です。

人間の認知は、簡単にバイアスがかかります。
「私は事実に基づいて判断するから大丈夫」と思うかも知れませんが、モーシェは「事実は観察する人から独立していない。」と言います。
それならばどうやって物事を確かめたら良いのでしょうか?

フェルデンクライス・メソッドでは、何かを確かめようとする時に複数の機能を使います。
例えば、片目で見ていると奥行を把握することができません。
両目で見るのでより正確な認識ができます。
また人間には、目の機能だけでなく、聴覚、嗅覚、味覚、触覚、また筋感覚があります。

つまり、何か一つの尺度で確かめられないなら、複数の尺度を使ってみると良いでしょう。
色々な尺度で、様々な方向から確かめていく時、より事実がはっきりし、真実に近づくことができます。

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