vol.8 “正解かどうかより自由かどうか!?”【フェルデンクライス博士の言ったこと】

フェルデンクライス博士の顔

When choice is reduced to only one movement or act without any alternatives, anxiety may be so great that we cannot even do the only possible movement.

選択肢が、一種類の運動や動作になり、代替方法がなくなると、不安が増す。
それは可能だった筈の動きができなくなるほどである。

— モーシェ・フェルデンクライス

引用著作 : The Elusive Obvious – p54

by Moshe Feldenkrais
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カラダ♮の解説

わたしたちは、どんな動きにも「選ぶ自由」を持つ必要があります。
もし代替方法がなくなり、一つのやり方でしかできなくなると、そのやり方が良かろうが悪かろうが、上手くいかなくなります。
人間の機能を科学的に調べていくと、そのようになっているのです。

試しに、幅15cmほどの板を床に置き、端から端までその上を歩く想像をして下さい。(簡単にこなせそうですね。)
今度は、その板を支柱で高さ10mほどに持ち上げて、その上を歩く想像をしましょう。(かなり難しそうですね。)
最後は高層ビルの間に板をかけて、その上を歩いてみて下さい。(世界でもできる人は一握りでしょう。)
・・・なんでもないほど簡単な動きが、いかにして難しくなるかわかるでしょうか?

選択肢が制限され、代替方法がなくなると、できる筈の動きもできなくなります。
逆に、選択肢が広がり、代替方法が増えると、すでにできる動きがさらによくできるようになるのです。
これは、人間の動き全てを貫く原則で、どんなに小さな機能に対しても適用できます。

そういうわけで、フェルデンクライス・メソッドは、正しい動きを教えるものではなく、その人の選択肢を増やす、すなわち自由にするものです。
興味深いことに、正解を教えられることには抵抗感を持つ人が多いですが、自由になるのを拒む人はとても少ないのです。

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