Relaxation and strengthening of muscular groups must therefore not be attempted directly, but through their antagonists as in normal growth.
筋肉をほぐしたり、強めたりするには直接的な方法ではなく、拮抗筋を通じてなされるべきです。
— モーシェ・フェルデンクライス
赤ちゃんの成長がそうであるようにです。
引用著作 : Body & Mature Behavior – p170
カラダ♮の解説
体のあらゆる動きは筋肉の働きです。
動きの際、主に働く筋肉を「主動筋」と言い、その反対の動きをする、引き伸ばされる筋肉を「拮抗筋」と言います。
この主動筋と拮抗筋のバランスを保つことで動きをコントロールできるのです。
今回の一言では、筋肉をほぐしたり強めたりするために、拮抗筋を使うべきとのことです。
一体どういうことでしょうか?
筋肉には「伸張反射」と呼ばれる反射があり、引き伸ばされた時にそれに対抗するように収縮します。
そして引き伸ばす力がなくなると、緊張はゆっくり呼吸に合わせて、完全に解けていきます。
これは実験室で筋線維だけを取り出して引き伸ばしても確認できる、筋肉そのものに備わった反射です。
脳を介さないので、伸張反射で収縮する筋肉は疲労しません。
そこから考えると、筋肉をリラックスさせるにも強めるにも、引き伸ばしてやると効果的なのがわかります。
つまり、拮抗筋を収縮させればよいのです。
実際に赤ちゃんの首がすわる原理もこれに基づいています。
赤ちゃんがお母さんを見ようと首の屈筋を働かせますが、その時同時に首の後ろの伸筋は引き伸ばされます。
引き伸ばされた伸筋は、伸張反射で収縮するので自然に鍛えられていき、その後だんだん頭を床に押し付けられるようになり、生後4~5ヶ月で頭を重力に対して起こせるようになるのです。
拮抗筋の原理を応用できる範囲はとても広いです。
どのような動きでも、質を高めたいならば「反対の動き」をゆっくり練習してみましょう。